壊れたスマホのデータ移行|液晶が割れて操作できない時の手順
この記事でわかること
画面が割れて操作できないスマホから、新しい端末へデータを移す方法を解説します。iPhoneとAndroidで使える手段の違い、有線マウスでの操作、復元ソフトが効く条件、画面交換とデータ復旧の費用比較まで、判断できる形で整理しました。
画面を割ってしまい、タッチが効かない。液晶が真っ暗なのに、着信音は鳴っている。本体は生きているはずなのに、中の写真とLINEだけが取り出せない。機種変更を控えているとなおさら焦ります。
この状態でまず知っておきたいのは、iPhoneとAndroidでは使える手段がまったく違うという点です。同じ「画面が壊れた」でも、打つ手の数に差があります。
この記事では、自分の端末で何ができるかを判定したうえで、新しいスマホへ移し終えるまでの手順を整理しました。あわせて、多くの記事が触れていない「先に画面を直したほうが安く済む場合がある」という選択肢もお伝えします。
データ移行できるかは、画面以外が生きているかで決まる
最初に、自分の端末がどの状態にあたるかを確認してください。ここで進む道が変わります。
| 端末の状態 | 移行の見込み |
|---|---|
| 画面は割れているが、表示もタッチも効く | 通常どおり移行できる |
| 表示はされるが、タッチが効かない | 有線マウスでの操作が有力(主にAndroid) |
| 画面が真っ暗だが、音や振動は反応する | 外部出力かソフト経由に限られる |
| 電源が入らない | 移行ではなく、取り出しの領域になる |
電源が入らない場合は本記事の範囲を超えます。iPhoneの電源が入らない原因と対処法とスマホのデータ取り出しは自分でできるかをご覧ください。
最初に確認するのはクラウド同期で、これが最も早い
手を動かす前に、無料で数分で終わる確認から始めます。ここで写真だけは無事だった、という結果になる方が少なくありません。
Googleフォト・iCloud写真に残っていないか
Androidを使っていた方は、パソコンや別の端末からGoogleフォトにログインしてください。バックアップがオンになっていれば、撮影した写真と動画がそのまま残っています。
iPhoneの場合は、同じApple AccountでiCloudにサインインします。iCloud写真がオンだった場合、写真は本体ではなくiCloud側にも保存されています。
連絡先・カレンダーはアカウント側に残っていることが多い
連絡先やカレンダーは、GoogleアカウントやiCloudに同期されている場合がほとんどです。本体が操作できなくても、新しい端末で同じアカウントにログインすれば復帰します。
この2つは初期設定のまま使っていれば同期されているため、優先度を下げて構いません。
SDカードに保存していた分は差し替えるだけで移せる
Androidでは、写真や動画の保存先をSDカードに設定できる機種があります。SDカードに入っていたデータは、抜いて新しい端末に差すだけで移せます。
本体が操作できなくても取り出せる、数少ない手段です。SDカードスロットの有無を確認してみてください。
各アプリは再ログインで戻るものがある
メール、SNS、動画配信、クラウドストレージなどは、アカウントに紐づいています。新しい端末でログインし直せば元の状態に戻ります。
ゲームアプリも、アカウント連携を済ませていれば引き継げます。問題になるのは、本体にしか保存されていないデータだけです。ここを切り分けると、対処すべき範囲がかなり狭まります。
iPhoneとAndroidでは使える手段が違う
ここからが本題です。同じ症状でも、OSによって取れる手段が変わります。全体像を先に整理しました。
| 手段 | iPhone | Android |
|---|---|---|
| クラウド同期の確認 | 使える | 使える |
| 有線マウスでの操作 | 事前にAssistiveTouchをオンにしていれば使える | OTG対応機種なら使える |
| パソコン接続でのデータ取得 | 「信頼」への応答が必要 | 接続方法の選択操作が必要 |
| 外部モニターへの出力 | 対応アダプタが必要 | 機種と規格による |
| SDカードの差し替え | 非対応 | スロット搭載機種のみ |
| 端末同士の直接移行 | 旧端末側の操作が必要 | 旧端末側の操作が必要 |
表を見て分かるとおり、Androidのほうが逃げ道が多く、iPhoneは選択肢が絞られます。その理由を次の2つの章で説明します。
Androidは有線マウスをつなげば画面を操作できる
タッチが効かなくても、表示さえされていれば操作を代替できます。Androidで最も現実的な手段が、有線マウスの接続です。
用意するもの
- USB-OTGに対応した変換アダプタ(端末側の端子に合わせる)
- 有線のUSBマウス
どちらも家電量販店やオンラインで入手できます。合計で千円台に収まる場合がほとんどでしょう。
接続してロックを解除する手順
- アダプタを端末の充電端子に差す
- アダプタのUSB側にマウスをつなぐ
- 画面にポインタが表示されるのを確認する
- マウスでロック画面のパスワードやパターンを入力する
- 設定を開き、パソコンへの接続やバックアップを進める
顔認証や指紋認証しか設定していない場合でも、多くの端末ではパスワードやPINが併用登録されています。忘れている場合はこの方法も使えなくなるため、心当たりを整理してから試してください。
画面が映らない場合はテレビやモニターに出力する
表示そのものが出ない場合は、映像を外に出す方法があります。対応する機種であれば、変換アダプタを使ってテレビやモニターに映せます。
マウスと組み合わせれば、大きな画面を見ながら操作できます。ただし機種と規格の対応が前提になるため、事前に確認が必要でしょう。
この方法が使えない条件
次のいずれかに当てはまる場合、マウスでの操作はできません。
- 端末がUSB-OTGに対応していない
- 充電端子そのものが破損している
- ロック解除の情報を思い出せない
- 表示が完全に出ず、外部出力にも対応していない
iPhoneは「このコンピュータを信頼しますか」で止まりやすい
iPhoneの場合、事情が変わります。パソコンにつなげば中身が見えると考えている方が多いのですが、実際にはその前に関門があります。
なぜ画面が壊れると詰まるのか
iPhoneをパソコンに接続すると、iPhone側に「このコンピュータを信頼しますか」という確認が表示されます。ここで「信頼」をタップし、さらにパスコードを入力しなければ先へ進めません。
画面が反応しない状態では、この操作自体が完了できません。パソコンからは端末が接続されたように見えても、中のデータにはアクセスできない状態が続きます。
過去に接続したことがあるパソコンなら進める場合がある
一度「信頼」した組み合わせは、その情報がパソコン側に残ります。以前バックアップを取ったことのあるパソコンがあれば、確認が求められずにそのまま認識される場合があります。
自宅や職場に心当たりのあるパソコンがあれば、まず試してみる価値があります。
iPhoneでマウス操作は使えるのか
結論から言うと、iPhoneも有線マウスに対応しています。Appleはアクセシビリティ機能の解説で、有線またはBluetoothのマウスやトラックパッドを接続してポインタを操作できると案内しました。有線の場合はLightningまたはUSB-Cのポートに接続し、USB-A機器についてはアダプタが必要です。
ただし利用するには、AssistiveTouchという機能を設定からオンにする必要があります。手順は「設定」から「アクセシビリティ」に進み、「タッチ」の中のAssistiveTouchを操作します。
つまり画面が壊れてからでは、この設定にたどり着けません。Androidのように後から差せば使える手段ではない点が、iPhoneで選択肢が狭くなる理由です。
クイックスタートが使えるかどうかの条件
新しいiPhoneへ直接移すクイックスタートも、旧端末側での操作を伴います。画面が反応しない状態では最後まで進みません。
タッチが部分的にでも効くなら試す価値はあります。効かない場合は、iCloudバックアップからの復元に切り替えてください。
新しいスマホへ移すときの手順
端末を操作できる状態に戻せたら、移行そのものは通常どおり進みます。組み合わせ別に確認しましょう。
iPhoneからiPhoneへ移す場合
2台を近づけてクイックスタートを使うか、iCloudバックアップを作ってから新端末で復元します。旧端末の操作がわずかでもできるなら、クイックスタートのほうが速く済みます。
iCloud経由の場合は、バックアップの作成が完了してから新端末の初期設定を進めてください。
AndroidからAndroidへ移す場合
新しい端末の初期設定中に、旧端末との接続を求める画面が表示されます。ケーブルまたは無線で接続し、案内に従って進めます。
Googleアカウントに同期されているデータは、ログインするだけで戻ります。移行が必要なのは、同期対象外のデータに限られます。
OSをまたいで移す場合
AndroidからiPhoneへ、あるいはその逆へ移す場合は、専用のアプリや手順が用意されています。ただし移せる範囲は同一OS間より狭くなります。
特にアプリの中のデータは引き継げないものが多いため、重要なものは個別にアカウント連携を確認しておきましょう。
LINEのトーク履歴だけは別扱いになる
LINEのトーク履歴は、端末全体の移行とは別に扱われます。LINEヘルプセンターによると、標準バックアップは同じOS間の引き継ぎでのみ利用でき、トーク内の画像や動画はバックアップと復元の対象外です。
またPINコードやQRコードでアカウントを引き継いだ場合、戻るのは直近14日間のトーク履歴のみになります。詳細はLINEヘルプセンターで確認してください。
復元ソフトが使える条件と使えない条件
「壊れたスマホからデータを取り出す」とうたうソフトは数多くあります。有効な場面はありますが、前提条件を知らずに購入すると費用が無駄になります。
ソフトが前提としている端末の状態
この種のソフトの多くは、端末が起動していてパソコンに認識されることを前提にしています。Androidでは、あわせてUSBデバッグが有効になっている必要がある製品もあります。
USBデバッグは開発者向けの設定で、通常はオフです。オンにするには端末の操作が必要なため、画面が壊れてからでは設定できません。
初期化してしまった端末には効かない
すでに初期化した端末に対しては、この種のソフトで復元することは期待できません。理由は初期化の仕組みにあります。
詳しくはiPhone初期化後のデータ復元で解説しています。
購入前に確認したいこと
検討する場合は、次の3点を製品ページで確認してください。
- 何を読み取って復元するのか(本体か、バックアップか)
- 端末が起動していない場合にも対応するのか
- 復元できなかった場合の返金条件はどうなっているか
画面を直してから移すほうが早くて安い場合がある
ここまで自力での方法を見てきましたが、実は見落とされがちな選択肢があります。先に画面を直してしまえば、あとは普通のデータ移行で済みます。
画面交換とデータ復旧の費用・期間の比較
データを取り出す方法によって、費用と期間は大きく変わります。
| 選択肢 | 費用の目安 | 期間 | 端末 |
|---|---|---|---|
| 画面を交換して自分で移行する | まちスマの場合、iPhoneは税込6,000円から(機種と症状による) | 最短即日 | そのまま使える |
| キャリアのデータ復旧サービス | ドコモの場合、補償サービス加入で税込1,100円〜2,200円、未加入は税込16,500円 | 約2週間 | データの受取方法を選ぶ |
| 正規サービスで本体交換 | 保証内容による | 数日から | 中のデータは戻らない |
費用はまちスマ修理料金ページとドコモ「ケータイデータ復旧サービス」の公開情報によるものです。
補償サービスに加入していれば、キャリアの復旧サービスのほうが安く済む場合があります。ドコモの負担金は加入しているサービスによって変わり、公式ページでは加入時1,100円から2,200円、未加入時16,500円と案内されています。なお申込条件や対象機種にも定めがあるため、実際に利用できるかは公式ページで確認してください。
画面交換で解決するケースの見分け方
次に当てはまる場合は、画面の交換で操作できる状態に戻る可能性があります。
- 着信音や通知音が鳴っている
- 振動している
- 充電マークやランプが反応する
- パソコンにつなぐと端末として認識される
本体が動いている証拠が1つでもあれば、画面だけの問題である見込みが高まります。
データを残したまま修理できるかを先に確認する
修理を依頼するとき、データの扱いは必ず先に確認してください。正規のサービスでは本体そのものを交換する対応になる場合があり、そのときは中のデータが戻りません。
街の修理店では、破損した部品だけを交換する対応が中心になります。ただし修理を受けるとメーカー保証は使えなくなるため、保証期間内なら比較して判断してください。
近くに店がない場合は郵送で診断を受けられる
まちスマでは全国から郵送での修理とデータ相談を受け付けています。運営する合同会社コネクトは2017年に設立し、代表は大手キャリアショップの運営代理店で責任者を務めていました。
「データが消えて悲しむ人を日本中からゼロにする」という理念のもと、データを残す前提で診断しています。症状の写真を公式LINEから送っていただければ、見立てをお伝えします。
流れと料金はiPhoneの郵送修理ガイドにまとめています。
データ移行の前にやってはいけない行動
焦って動くと、取り戻せたはずのデータを失います。次の4つは避けてください。
初期化する
操作できないからといって初期化すると、データを取り戻す手段がなくなります。動作を軽くするつもりで実行しても、結果は同じです。
「探す」からリモートで消去する
紛失した端末を守る機能ですが、手元にある端末に対して使うとデータが消えます。操作を誤って実行すると取り消せません。移行が終わるまでは触らないでください。
通電を続ける・充電したまま放置する
水に濡れた心当たりがある場合、通電が状態を悪化させます。内部で腐食が進むと、基板からの取り出しも難しくなります。
濡らした可能性があるなら、充電せずに相談してください。判断に迷う場合はiPhoneが水没したときの対処法もご覧ください。
自分で分解する
画面を自分で交換しようとして、内部のケーブルを傷つける例があります。データが入っている部分を損傷すると、専門の業者でも取り出せなくなります。
電源も入らない場合はデータ取り出しの領域になる
電源が入らない端末は、移行ではなく取り出しの作業になります。基板の状態によっては、修理して一時的に起動させ、データを退避させられる場合があります。
詳しくはスマホのデータ取り出しは自分でできるかとiPhone基盤修理の費用相場をご覧ください。
壊れたスマホのデータ移行に関するよくある質問
画面が真っ暗でもデータ移行はできますか
音や振動が反応しているなら、本体は動いている可能性があります。外部モニターへの出力や、パソコン接続を試す価値があります。
ただしiPhoneの場合は「信頼」への応答ができないため、選べる手段が限られます。
ドコモやauのデータ復旧サービスは使えますか
利用できますが、対象機種や申込条件に定めがあります。負担金も補償サービスの加入状況によって変わります。
ドコモの公式ページでは、加入時が税込1,100円から2,200円、未加入時が税込16,500円と案内されています。期間は約2週間かかるため、急ぐ場合は他の手段と比較してください。
修理に出すとデータは消えますか
依頼先によって変わります。本体交換になる対応ではデータは戻りません。部品だけを交換する修理であれば、そのまま残る場合が多くなります。
依頼前に、データの扱いをどうするか必ず確認してください。
壊れたスマホを下取りに出す前に何を確認すればいいですか
中のデータを移し終えているかを確認してください。下取りに出した端末は戻ってきません。
移せていないデータが1つでもあるなら、手続きを止めて先に相談することをおすすめします。
データ移行にどれくらい時間がかかりますか
操作できる状態であれば、数十分から数時間で終わります。画面の修理が必要な場合は、その作業時間が加わります。
郵送で依頼する場合は、往復の配送日数も見込んでおいてください。
まとめ
壊れたスマホからのデータ移行について、要点を整理します。
- まずクラウド同期を確認する。無料で数分で終わり、写真だけは無事な場合が多い
- Androidは有線マウスをつなげば操作を代替できる
- iPhoneは「信頼」への応答が必要で、マウスも事前設定がないと使えない
- 復元ソフトは、端末が起動しパソコンに認識されることが前提になる
- 画面を直してから移すほうが、費用も期間も抑えられる場合がある
操作できない状態が続くほど、選べる手段は減っていきます。初期化とリモート消去だけは実行しないでください。それさえ避ければ、取り戻せる可能性は残ります。
判断に迷ったら、症状を公式LINEからお送りください。全国から郵送で受け付けています。